タイムスリップものには珍しい戦時もの!
『ジパング』はかわぐちかいじ先生作の歴史SF漫画。2000年から2009年にかけて『モーニング』に連載され、単行本は累計発行部数1500万部の人気作。
すでに完結されており、単行本は43巻発行されております。
戦争漫画ということもありかなりシリアスな内容なので巻数が多いので大変ですが、歴史好きにはたまらない作品であること間違いなし。
歴史には「もしもあの時」という発想がつきものですが、もしあの時日本軍が違う動きをしていたら、現代の日本はどうなっていたのか。その「もしも」を具現化しようとする者、本来の日本の未来を守ろうとする者。それぞれの思いが交差する歴史SF漫画です。
漫画『ジパング』のあらすじ
近代日本の海上自衛隊の護衛イージス艦『みらい』は日米新ガイドラインにのっとり、エクアドルに海外派遣されることとなる。
その航海中、みらいはミッドウェアー沖合で突如の嵐に見舞われ、落雷を受ける。
艦に被害はないものの、周囲を航行していた僚艦はすべてロス、衛星通信の不通という孤立状態に陥りる。
その直後、レーダーに多数の艦影が現れ、大艦隊の真っ只中にいることが判明する。
目の前には戦艦級の大型船の影。
濃い霧の中から現れたのは。。
戦艦大和!
なんと自衛艦みらいは60年前の1942年6月4日、ミッドウェー海戦直前にタイムスリップしたことが判明する!
そんな異常事態の中、本作主人公・みらいの副長角松洋介は、撃墜され水没しかけている大日本軍機から、この物語のキーパーソンの帝国海軍通信参謀・草加拓海少佐を救出する。
みらいの中で目を覚ました草加は、みらいの真実、第二次世界大戦の日本の無条件降伏、戦後日本の経済発展などこれからの未来についての真実を知ることになる。
歴史上本来、草加は墜落で死亡していたはずが救われたことから日本の新しい歴史の歯車が回り始めることになる。
草加は未来の日本ではない、『ジパング』という新たな日本を目指し、歴史に介入しようと奔走し、本来の未来を守ろうとする角松との対立が激化していくことになる。
戦時中であることから嫌が応にも戦争に巻き込まれていくみらい。
現代日本人として、自衛官として、みらいの乗組員たちは何を考え行動するのか。
果たして未来の日本に戻ることはできるのか。
日本はどのような道を進むことになるのか。
漫画『ジパング』の面白さ
ファンタジーと史実のバランス
角松に救出された草加は日本の未来を知ることになり、護衛艦みらいの戦闘力を知ることになる。草加は知りえた事実を元に、日本とは違う、『ジパング』という新たな日本国家を創造することを目指す。
草加の介入により、徐々に史実が変化していくことになる。
ああなるはずが、ならず、違う展開を見せていくことになる。
実際の歴史を知っている読者からすると変わりゆく歴史展開がなんとも面白い。
歴史の「もしも」を目撃するファンタージー感と史実とのバランスが絶妙でしょう。
戦時の歴史ファンにはたまらない
作中には山本五十六、東條英機、石原莞爾など歴史上の偉人が大勢登場し、歴史ファンにとってはたまらない作品でしょう。
また、戦争漫画でもあるので、当然戦争シーンも出てくるのだが、護衛艦みらいの戦闘力や各キャラの持ち場での役割など、忠実に模写できていると言えます。戦争シーンでは緊張感もあり、ハラハラドキドキすること間違いなし。
漫画『ジパング』を電子書籍で読む
おそらく漫画『ジパング』はどちらかというと、歴史ファンタジーが好きな男性の方が好む作品かもしれません。43巻も出ている大作ですのでぜひ電子漫画として集めた方がいいですよね。